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1989年の天安門事件は、民主化を求める学生らの大規模な抗議運動に対し、中国政府が軍を動員して武力弾圧を行った事件です。事件は6月4日に最高潮に達し、北京市の天安門広場とその周辺で多くの死傷者が出ました。中国政府の公式発表では死者319人となっていますが、実際には数千人にのぼるという推計もあります。 事件の当時、天安門広場では民主化デモ隊と人民解放軍の間で激しい衝突があり、広場から退去を始めた人々に対して銃声が聞かれ、一部の学生は武装警察の棍棒で殴られ負傷しました。広場内での正確な死者数は不明ですが、数名の学生死亡は確認されています。長安街では装甲車に対し民衆の抵抗もありました。 中国政府は事件以来、国内での情報統制と検閲を強化し、「天安門事件」や関連するキーワードのインターネット検索を禁止しています。数字の「8964」(事件の日付)も検閲対象であり、事件の言及は事実上禁止されています。こうした検閲は事件の風化を防ぐ狙いとされています。 2024年6月の事件35周年を控えた際、中国外務省は事件対応の正当性を改めて強調し、「政治的な騒動についての結論はすでに出ている」と述べました。一方、事件の遺族らや民主派団体は真相究明を求め続けており、事件は今なお中国で最大級のタブーとなっています。 事件発生から36年が経過する中、天安門広場周辺では今も厳戒態勢が敷かれ、事件の真相究明と歴史の記憶を求める声と政府の封鎖政策が対立し続けています。
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